子どもを授かりたいと思ったとき、多くの人は妊娠活動、いわゆる「妊活」を始めます。でも何から始めたらいいのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事ではそんな方のために、妊活スタートのための基本的な部分をお伝えします。赤ちゃんを授かりたいと考えているご夫婦の参考になれば幸いです。
妊活とは

まずは「妊活」についておさらいしておきましょう。妊活とは、妊娠のためにライフスタイルを見直したり体調を整えたりしながら妊娠力の向上を目指す活動のことです。またそれ以前の、子どもが欲しいと考え、夫婦間で話し合い、情報収集することも妊活に含まれます。したがってこの記事を読むこと自体も妊活の一つといえそうです。
多くの方がイメージする妊活は「妊娠力の向上を目指す活動」の部分だと思いますが、ただ妊娠力の向上を目指すといっても、具体的にどうしたらよいのかが気になるところです。そこで一般的におこなわれている方法をいくつかご紹介します。
妊娠力を高めるための方法
妊娠についての理解を深める

なんといっても妊娠について正しい知識を身につけることが大切です。特に男性だとそもそも妊娠ってどういう状態か説明できないことも……。妊娠とは、子宮内膜に受精卵が着床して発育していく状態を指します。その最初期段階、つまり着床が完了したタイミングが妊娠の成立というわけです。ぜひ覚えておいてください。
では着床までにはどんな段階があるのでしょうか?
1 排卵
女性の卵子は月経周期に合わせて成長をします。その卵子が20mm程度の大きさに育つと、卵巣から放出されます。これを排卵といいます。このとき排卵される卵子は基本的に1個で、最も大きく育ったもののみが受精のチャンスを得ることができます。
2 受精
性交渉により射精された精子がその卵子と出会い、卵子の中へ入り込むことで受精卵となります。ただし、卵子に辿り着ける精子は100〜1,000個程度(一般的に健常男性の場合は射精時に数千万〜1億個以上の精子が放出されると言われています!)。そのうち、卵子の中へ入り込むことができるのはたったの1個です。 そして受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、4〜6日をかけて卵管から子宮に移動します。
赤ちゃんができるのってまさに奇跡!
3 着床
子宮に到着した受精卵が子宮内膜に潜り込むことで着床、すなわち妊娠となります。
このように妊娠するまでのプロセスは奇跡的です。妊娠って簡単じゃないということを心得ておくことが、妊活をより真摯に取り組むことに繋がります。
ライフスタイルを見直す

妊娠の可能性を高めるには、健康な卵子と精子が欠かせません。そのためには健康な身体の維持が大切です。
- 偏食
- 運動不足
- 睡眠不足
- 喫煙
- 過度な飲酒
は改め、バランスの整った食事、適度な運動、十分な睡眠、禁煙・禁酒を心掛けましょう。
基礎体温をチェックする

母体となる女性は特に、自分のカラダのリズムを知ることが肝要です。基礎体温の測定もそのひとつ。妊娠可能期の女性は、おおよそ2週間ごとに「低温期」と「高温期」がやってきます。低温期から高温期に切り替わるタイミング=排卵日の目安ですので、毎日基礎体温を測定することで排卵のタイミングが分かるようになってきます。
タイミングを合わせる

基礎体温のチェックにより排卵日がある程度予測できるようになれば、そこに向けて性交渉をおこないます。 このような妊活を継続することで、妊娠の可能性は高まっていくでしょう。
はじめての妊活で何から始めていいのか分からない方にはこちらの記事がおすすめ!
不妊の悩み

ですが、実際にはいくら継続しても妊娠に至らないケースもあります。さまざまな原因により、赤ちゃんができにくい、場合によっては医療の介入がなければ妊娠できないことも。いわゆる「不妊」と呼ばれるものです。
不妊とは一般的に、妊娠を希望する男女が避妊せず性交渉をおこなっているにもかかわらず、1年以上妊娠しない状態を指します。現代ではカップルの約5.5組に1組が、不妊の検査や治療を受けたことがあるのだそう。
ところで皆さん、不妊というとその多くは女性側に原因があると思っていませんか? しかし実は不妊の原因の約半数は男性側にあるというのが事実です。筆者(男)自身も不妊に悩んでいた一人ですが、検査を受けてみてびっくり。「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」というものが見つかりました(しかも最重度のグレード3と診断されました)。これが原因で造精機能の低下を引き起こし、いくら妊活に励んでも妊娠しないという状態が続いたのです。「まさか自分のせいだったなんて……」とひどく落ち込んだのを覚えています。
だからこそ妊活を一定期間続けても妊娠しない場合は、不妊治療のクリニックや産婦人科を受診して、適切な指導を受けることをおすすめします。
まとめ
「子どもは神様からの授かりもの」と言われたりしますが、妊活がなかなかうまくいかないことは決して珍しくありません。誰かを責めるのではなく、お互いに支え合い前を向いて妊活することが大切です。そのためにも計画的に妊活をスタートさせたいものですね。ぜひまずは夫婦・パートナー間で話し合ってみてください。
この記事は2022年6月時点の情報です。
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